車検はディーラーなら安心とは限らないという個人的体験

ぼくは一匹農民で、車は軽トラックを一台持っているだけだ。

もう走行距離は15万kmになる。

これが故障すると仕事にもならず、足もなくなるので、せめて車検はしっかりしようと、ディーラーに持ち込んでいた。

ところが前回の車検のときに、どうにも納得できないことに当たったのである。

高いお金を払っているのに、イレギュラーな問題に対するケアがなかった

フロントガラスにひびが入っていたというのだが、目視ではわかりにくい部分で、全交換になったから8万円かかるらしい。

ずいぶん高い修理になることですこしためらっていたら、後日正確な見積もりのときに「5万円になった」という。

フロントガラスの値段はそんなにあいまいなものなのだろうか、と不審をおぼえて、いざ車検を終えて清算する段階になると、どこにヒビが入っていたか、写真ひとつ見せてくれることがなかった。

車検費用は合わせて19万円。

最初に書いたが、一台しかない車だから大事に乗りたい。

ガラスが割れているなら、もちろん交換すべきだし、こういったお金には糸目をつける気はない。

しかし、大きなお金がかかる問題に対して、ユーザーへのケアが行き届いていなかった。

われわれが高いお金を払うのは、もちろん純正の技術を求めてのことだが、そこにじゅうぶんなサービスがあることを期待しているのである。

そこで、今回はディーラー車検をやめることに決めた。

この車検からだいぶ経ってビッグモーター事件があきらかになったのだが、素人は車検の際になにが行われているかわからない。

ぼくはビッグモーターではなくディーラーに預けたわけだが、フロントガラスの件にしても、どういう作業をしたのか写真をみせて説明するだけでも、信頼感がちがっただろう。

地元のガソリンスタンドに車検を依頼

それで今回は、地元のガソリンスタンドに車検を依頼した。

なぜガソリンスタンドなのかというと、理由はいくつかある。

ひとつは、ぼくは中山間部の田舎に住んでいるのだが、ここは近くで唯一のガソリンスタンドだからである。

よその店に持っていくより、このガソリンスタンドでお金を落とすのが地域のためにもなるだろう。

もうひとつは、以前、ブレーキランプが切れたときにたまたまこのガソリンスタンドでみてもらったら、ランプではなく基盤の交換になるといわれた。

いったいいくらかかるのか不安だったが、精算時に1300円といわれたのである。

ほとんど部品代しかとっていない印象だ。

このガソリンスタンド、整備士は少数精鋭でいつも忙しそうにしており、ガソリンの値段も良心的である。

車検をお願いすると、「うちはできるだけ安く仕上げる方針だ」といわれた。

安さがウリは、よいことなのか

これをよいことととらえるか、わるいことととらえるか。

いちおう、この車だけで生活しているので、わるくなっているところはできるだけ対処してほしいと伝えたら、もちろんていねいに調べさせていただくという返事だった。

それで車検に出したのだが、ほどなく電話がかかってきて、修理したいところがたくさんあるという。

その中でも大掛かりな修理としてはマフラーの取り換えがあった。

マフラーに関しては以前タイコの部分に穴が空いて、交換修理してもらったことがある。

たしか走行距離が10万kmになる前だった。

うちのあたりは雪が降るので、国道の融雪剤の影響で下回りの防錆処理は欠かせない。

しかしマフラーのように高熱になる部分は防錆処理できないということで、定期的な交換が必要になるのはわかっていた。

だからこの点については納得できる。

結局、今回の車検でかかった費用はおよそ13万円だった。

一般的な車検の相場から考えれば高いとおもうかもしれない。

しかし、まず15万km走っている。

まったくなんの問題もなかったとしても、7万円ほどかかる。(これは非常に良心的な価格である)

そこにマフラー交換、オイル交換、ヘッドライトの交換、燃料プラグの交換、ワイパーの取り換え、下回りの防錆、シートベルトランプの不具合の修理、バッテリーを置く台が錆びているところの交換修理、これらぜんぶ含めての値段なのだから、むしろよくこの値段でやってくれたとおもう。

それに、修理箇所はおおむねぼくが以前から気になっていたところだったし、車検で最低限必要なメンテナンス以上の気配りをしてくれたのだから、なにより信頼のおける整備士だった。

安さがウリはよいことなのかというと、安さを優先するあまり整備を急いで手を抜くようであればもちろんアウトである。

しかし、安くあげる努力はしながらも、じゅうぶんなメンテナンスをしてくれているのだから、今回の車検は大いに納得のいくものだった。

会社のネームバリューで選ぶなかれ

逆にいえば、ディーラーはこれらの修理箇所は知っていたが、後回しにしていたわけだ。

ディーラー車検は高くなる。

毎回なんだかんだで15万円ほど車検にかかっていたから、あまり値段がかさまないように後回しにできることは後回しにと気を利かせてくれたのかもしれない。

しかしあのまま放置していたら、20万kmあたりでこまごました問題が破滅的に連鎖していたような気がする。

もちろん、ディーラーの車検でみてもらいながら15万km乗ったのだから、わるいとはおもわない。

しっかりやってくれたとおもう。

しかし、あくまで個人的な意見ではあるが、ディーラー車検だから安心というのも間違いで、自動車は会社のネームバリューで選ぶのではなく、信頼関係の築ける整備士のいるところに預けられれば、それがイチバンだとおもった次第である。

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