lonephil

日常

節分を掘り下げて考えてみる

節分に太巻きやいわしを食べるという風習が広がったのは、比較的最近である。 いわしも太巻きも関西圏から広がった風習で、柊を飾る習慣も全国的なものとはいえない。 特に太巻きを食べる習慣が全国的なものになったのはここ四半世紀ほどのことで、それ以前...
全国知識旅行

岩手県山田町と、島の坊伝説について

岩手県山田町は、三陸の太平洋に面した自治体である。 リアス式海岸による奥行きのある湾を形成しており、カキやホタテの養殖がさかんであるという。 平地には恵まれておらず、市の大半が山林に覆われていて、そのぶん山林資源を活用してのキノコが特産品に...
全国知識旅行

十和田市と高村光太郎、八郎太郎伝説と、独特な気候風土と農産物について

青森県には約123万人が住んでいて、十和田市の人口は6万人である。 青森市(27万)、八戸市(22万)、弘前市(16万)に次ぐ4番目に人口の多い自治体であるが、トップ3が県内人口の半分を占めていることを考えると、十和田市の位置づけとしてはベ...
評論

京アニ放火事件における死刑判決と松本人志問題を、森鴎外の『かのように』で考える

森鴎外が『かのように』を発表したのは明治45年(1912年)である。 この作品は、いわば当時の処世術とでもいうべき作品で、日露戦争から7年、太平洋戦争を30年後に控えた微妙な時期において、かなりきわどいことを書いていた。 今回はこの作品につ...
評論

映画『生きる』とファウスト伝説について考える

黒澤明の代表作として知られる『生きる』は、ドイツの古典として知られるファウスト伝説が下地になっていることで、世界的に普遍性を帯びたのではないかという話をしたい。 といっても、どうもじぶんでも取っ掛かりがつかめないので、とりあえずあらすじを書...
全国知識旅行

稚内市を調べていくうちに、宮沢賢治にたどりついた話

市の面積 稚内市は日本最北端の町で、市街地が北西の海べりにある。 市街地の面積はおよそ19平方キロメートルで、人口は3万人ほど。 東京の渋谷区の面積がおよそ15平方キロメートルで人口が22万人ということを考えると、地図でみるよりものんびりし...
日常

薪の割り方についての基本的な話

薪風呂と裏山がセットの暮らし 我が家では薪(および灯油)で風呂が沸かせるのだが、毎年の冬仕事のひとつは、もはやだれも手入れをしなくなった裏山の倒木を集めて、薪をつくることである。 薪風呂で節約できる光熱費はおよそ2万円ほど。 実際には2万円...
評論

二階堂奥歯さんと、「あの時代」という化け物

二階堂奥歯さんは2003年、26歳を目前に投身自殺で亡くなったという。 彼女の死後に出版された『八本足の蝶』は、彼女が生前に書いていたネット上の日記をまとめたものである。 ぼくは同世代で、その当時からインターネットをやっていたし、ネットで日...